23年今春リリースされる新時代テキスタイル(ヘンプデニム)開発ストーリー①

23年今春リリースされる新時代テキスタイル(ヘンプデニム)開発ストーリー①

今春にお目見えする「ヘンプ100%デニム」は、weavearthの始まりの物語です。

2020年初夏に海外の著名(レジェンド級)デザイナーが「ヘンプデニム」を探している…その打診を弊社にいただきました。ご紹介いただいたのは、お仕事を介した旧知の方で、お仕事ぶりはとても精緻で、様々な学びとお気遣いを頂いた方でしたので、なんとか期待に応えたい、という気持ちでした。

当時おそらく弊社以外でも、国内外問わずリサーチをされていたと想像できます。「ヘンプデニムと称される素材はあるけれど、どれもクタクタな柔らかい綿素材のよう…」とても現行のコットンデニム(同社は本格的なセルベッジ生地を使われていました)に匹敵しない、そういった壁にぶつかっていたようです。

クタクタな綿素材のよう…これには理由があって当時まだヘンプ素材のマジョリティは「綿(コットン)紡績方式糸」だったからで、ヘンプを綿(わた)にして紡績した糸は、綿のような柔らかい風合いになります(今でも同式紡績の綿(コットン)との混紡糸が多いのです)。

weavearthがモノづくりの拠り所としているのは、その綿(コットン)紡績方式糸ではありません。梳毛紡績方式(リネン方式)を用いて、ヘンプ本来の特性(張り腰や光沢)を生かした糸づくりを基本ベースにしています。実はそれは硬くて織りにくいため、設計した通りに織物生産に出来ない上に、仕上げ加工の最適化も研究が進んでいませんでした。打診を頂いた2020年当時では技術的に未熟で、世界基準で通用するデザイナーの要求に応えることが出来ませんでした。

それから今春で3年。探しておられたデザイナーさんは22年12月29日に他界されました。いつかweavearthのヘンプデニム素材を手に取って見て頂ける機会があるように願っていましたが、それを叶えることは出来ません。ですが、あの時のあの方の打診がなければ、扱いにくい新時代ヘンプ糸と格闘、研究し尽くすことは無かったかもしれません。リスペクトと感謝を込めて、この23年春にweavearth hemp 100% Denimをリリースします。




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