8月の上旬。黒龍江省へカンナビス畑で出向いてまいりました。
ヘンプの原料になるのは、カンナビスサティバと呼ばれる植物です。この地域のカンナビスは、THCが検出されない(検出限界以下)種子へと品種改良された農作物で、産業用大麻(Industrial Hemp)の原料になります(THC/マリファナ成分が入っていないことを意味します)。
(上記写真はKingdom社の提供)
今回訪問時に気が付いたのですが、この地で栽培される品種改良された種子(THCが含まれていない種子)には、すでに複数存在しているという事。ヘンプの繊維を最高最善の状態で取り出すために、今もなお研究が続けられているという事でした。
(写真は筆者撮影)
考えてみますと、綿花はグローバリズム資本を拡大する大きなマテリアルとなったことが知られていますが、綿花だけではなくウールやレーヨン、リネン、化学繊維(石油)でさえ現代ではグローバリゼーション(より安価に生産できる地域へ原材料が移行する)は、原料産地と生産地が切り離されています。
一方で、このカンナビス畑由来のヘンプは、その土地で栽培された植物を、同地で糸を作りだし、最高品質の糸を紡績するために、植物を品種改良まで行っている好循環のフィードバックが存在します。もちろん、糸は世界各地へ販売されていますが、こういった農と産が直接連携しているところに、各地域でヘンプの大きな可能性があるのではないでしょうか…。
(写真は筆者撮影)
青々としたカンナビス畑は、清々しい風が吹いていました。それは、竹林のようであったり、神社や仏閣の境内のようです。人類にとって、この繊維が高貴で神聖な植物として伝えられてきたのも、こういった肌感覚というか、五感に響く直感があったかもしれません。
(大)