「HYPERBEAST」誌の
「When It Comes to Sustainability, Hemp Is The Fabric of Fashion's Future」
(持続可能性という点で、ヘンプはファッションの未来の生地だ:2019年英文記事)
から、重要な点を抄訳しました。その③最終回。
米国2018年のヘンプ栽培の開放は、過去の経緯(その②を参照ください)を明らかにしながら、ヘンプが持つ有用性を拡大することを目的にしています。
・しかし「一般的に消費者は作物についてほとんど知りません。」「国民のかなりの割合が産業用大麻(ヘンプ)とマリファナの違いを知らず、両者を頻繁に混同しています」とパタゴニアの素材開発ディレクターのサラ・ヘイズ氏は説明します。
・大手ブランドによるマーケティングの欠如と、ヘンプの使用に関するデータや情報への一般のアクセスが情報不足を悪化させています。
・ヘンプを使用していることを明示することで(マリファナと混同されて)、ブランドは批判にさらされる可能性があり、さらに(ブランドそのものが)持続可能な(実施的な)実践に従わなければ(消費者から)不誠実とみなされる可能性があるからです。
・インスタグラム、ツイッター、フェイスブックによる大麻関連ビジネスや製品に対する制限のため、ブランドはこれらSNSビジネスツールを使って新たな視聴者にリーチすることができません。同時に、Cotton INCのような組織が「綿花以外のものを輸入する」アメリカ人に、非常に高い関税を課すロビー活動に成功しているようです。
・米国の小規模農家は、常に「種子独占企業(モンサントに代表される)」との関係性で、収益が左右されます。これは、このような企業がヘンプ栽培農業ですら、種子市場を寡占する可能性をはらんでいます。それはファッション産業としては、リスクとなり得ます。
解説)この記事には多くの情報が集まっています。さらにお知りになりたい方は、原文に目を通してください(触れられなかったことも多数あります)。
「When It Comes to Sustainability, Hemp Is The Fabric of Fashion's Future」
この記事の締めくくりとして、以下の文章が印象に残ります。
Yes, hemp could remedy cotton’s problems, but this is a small piece of a larger convoluted problem.
確かにヘンプはコットンの問題を解決するかもしれない。けれどそれは、複雑な(環境や経済など)の問題の小さなピースでしかない。
But that also means placing the Earth’s wellness over profit.
しかし、それ(ヘンプ栽培から始まる新しい産業)は利益よりも地球の健康を優先させるということでもある。
(了)
weavearthは、マリファナ(THC高含量)と産業用ヘンプを法律的に「切り分け」た上で、新しい農業産業両分野での活用するために、後者の産業用ヘンプ(THCが0.3%以下)として栽培を促進することを支持しています。