2023年今気になるFlax(リネンの原料植物)の収穫動向(9月時点)

2023年今気になるFlax(リネンの原料植物)の収穫動向(9月時点)

リネン原料の価格が上がり続けています。Alliance for European Flax-Linen & Hempの9月のレポートから今年(23年)のFalx栽培の現在状況をお伝えします。

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2023年はリネン繊維原料Flaxの生産量が歴史的に異例かつ異常に少なかった。3月末の播種から6月から7月の収穫まで、Flaxの栽培工程全体が天候不順に見舞われたためである。

Flax栽培は、多くの農産物と同様、フランスと各国は気候変動の影響に対処しなければならない。

フランスでは、1961年から1990年の平均気温と比較して+2.7℃の差があった。多くの国で記録的な暑さになった。Alliance for European Flax-Linen & Hemp2023年74日に収穫状況レポートを発表、23年春から夏にかけての厳しい気候を考慮した。

(写真は収穫しレッティング作業中のFlax)

Flaxの収穫はヘクタール当たり3.5トンから5.5トンの間で変動した(例年は6~7トン)。つまり原料の収穫量は26%から36%減少した。

7月から9月にかけて行われる自然なプロセスで、降水量、朝露と太陽が、土壌に存在する微生物の働きを助け、繊維を木質部分に接着させるペクトースを除去剥離する。(栽培ゾーンによって異なるが)比較的フランス北部、ベルギー、オランダでは雨が多く、湿度と熱のバランスがそのプロセスに対して適切でなかった(表面の6%から12%が収穫できない)。

同じ地域であっても、すべての農場が同じような気候変動や被害を受けたわけではない。

原料収量と最終繊維収量はFlaxの栽培面積147,000ヘクタールのほとんどでを下回る傾向にあり、1ヘクタール当たり2トンから5トンと発表されている(警戒を怠らないことが必要。目算はまだ進行中である)。

春蒔きFlaxは天候不順に見舞われた。大半の農場では長繊維の収率はおそらく12%から15%で、かなり低い。長繊維の収量は1ヘクタール当たり400kgから500kgとなる。したがって、これは2022年の収穫量の半分に相当する。

ウィンターFlax(Winter Flax遅蒔きFlax)はより良好な気候条件の恩恵を受け1ヘクタール当た6.5トンから7.5トン程度の高い収量が見込まれる。2023年には10,00011,000ヘクタールになると予想され、2022年に比べて倍増している。

前年とは異なるロットの繊維が組み合わされた糸と生地が供給され、2024年春夏シーズンの供給は若干影響を受ける。生産供給能力は、今後数ヶ月の間、現在も検討中である。世界的な天然繊維の需要増加の中で、リネンに対する一定の需要があるため、価格の緊張は続くと思われる。

出典:EUROPEAN FLAX - 2023 HARVEST ESTIMATES #2 from September 12, 2023* TOWARDS A LOW PRODUCTION POTENTIAL 
INFORMATION RELEASE – EUROPEAN FLAX : 2023 CROP SITUATION UPDATE - 12 September 2023
Alliance for European Flax-Linen & Hemp

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