循環型繊維素材:LiLoop開発(再生糸を作る①)

循環型繊維素材:LiLoop開発(再生糸を作る①)

LinenをLoop(循環)させる「Liloop」のプロジェクトの出発点は、糸づくりにあります。

その最も重要な工程を担って頂いているナイガイテキスタイルさん。岐阜県養老にある老舗紡績工場で実際のプロセスを拝見しました。とても貴重な経験を関心のあるみなさまと共有いたします。

廃材を循環させるゼロ地点

今まで廃棄が当然だった各種リネン廃材を、まず細かな断片へ加工します。この断片の大きさも、以降に行う紡績工程に重要な影響を与えます。なので、この大きさにも時間をかけて最適化を図りました。

(写真は細かく刻まれたリネン廃材)

断片は特殊な機械に通されていきます。この工程を「反毛(はんもう)」と呼びます。反毛工程を通すと廃材が「綿(わた)」へ変化します。

(反毛機の第一プロセス)

この「反毛」という技術は、毛織物産地で発達した技術です。毛織物の原料である「羊毛(ウール)」が、日本では貴重で高価だった時代に、いったんスーツなど高級洋服になった製品を分別して反毛化工を通して再活用した歴史があります。比較的羊毛が輸入品の隆盛で安価となり、産業規模は縮小傾向にあったのが、環境への配慮のため素材の再利用を進める時流の中で、再び脚光を浴びています。

ナイガイテキスタイルさんは綿紡績の老舗名門工場。基本的には毛織物とは産業領域が異なります。ですが環境配慮の時代の要請から、羊毛由来の反毛技術を導入されて、綿紡績システムでの混紡糸(2種類以上の異なる原料を混ぜて作る糸)を開発されました。わたしたちのLiloop素材が依拠する糸も、その一つです。

(つづく)

 

 

 

 

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